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小説だす 


第一章・第一部・・・「出会い」

 賑わいを見せる町があった。人々は露店や商店でごった返し、人ならず様々な種族が顔を並べ商品を眺めている。人間・ダークエルフ・エルフ・オーク・ドワーフ――時には笑い声が聞こえ、時には怒涛の罵声が響く、町は熱気に包まれていた。
 昼間は賑わいを見せていた町も、少しだけ夜の気配が訪れると状況が一変する。朝から出して賑わっていた商店は店終いを始め、夜を商売にする飲み屋や風俗店がその支度を始めるのだ。
 その中を一人の少女が歩いていた。薄緑の服とスカートを穿いてどこか落ち着かない様子でいる。


「どうしよう……」
肩までの金の髪がサラッと音を立てる。茶色の皮のブーツは実は色で判らないが、どこを歩いたのか泥だらけだった。聡明な幼い顔は疲れを見せ、瑠璃色の瞳は昼間の晴れ渡った空とは正反対に曇っている。
 彼女は人間ではなかった。その証拠に、陶磁器のように白い肌に長い耳を持っているエルフだった……
 彼女は今日始めてこの町にやってきた。それまでは自分の村に居て、エルブンファイターとして修行中の身だ。その少女がここにやってきた訳、それは、エルフ村の教官の『広い見聞を持って自分の心でそれを感じること――云々……』というのを鵜呑みにしてそのまま実行したのだ。つまり、彼女は広い見聞を得ようとそのまま村を飛び出してきたのであった。
 勿論ただの散歩みたいな感じで飛び出してきたので持っているものはお粗末な剣、そして地図。まあ、戦士として育っているので傷薬や包帯とかは持っているが、食料や旅用具は何一つ所持していない状態だった。
 最初は町の活気に驚き、好奇心一杯で散策していたが、ふと気がつくと夕方になっていた。夜はモンスターがねぐらから出て彷徨うようになる。それまでに何とか帰ろうとしたのだが、道に迷って今に至っているのであった。
「このまま帰れなかったら、野宿かなー」
荷物の入っている腰の袋を確かめると、僅かばかりのお金しかなかった。これでは宿屋に泊まれない。ましてや、何か食べることもできない。エルフ村では木の実や果実が一年中生い茂り、小腹が空けば仲間と一緒に採りに行ったもの。それが、ここではお金を出して買うことしかできないのだ。
 少女は高台から遠くを見るが、段々暗くなってくるのを見て溜息をついた。
「みんな心配してるだろうな」
少女の脳裏には仲間と教官たちの顔が浮かんでいた。楽しんだり苦しんだり戦ったりクエストをしたり……そんな思い出がつい彼女の心をくすぐった。
「私――どうしたらいいんだろう」
 そのまま多分出口であろうと思うところを探し始めたとき、ふとした拍子に人とぶつかってしまった。

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