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え~小説~です!w 





 みんなは後方で矢や魔法で応戦するようになっていた。もう……最後の扉を壊されれば城内に侵入を許してしまう……それだけは避けなければならなかった。
 キリアは補充の為に走り回っている。他の人の矢やスピリットショットなどを運んでいた。目まぐるしい中、外では奇声が上がっている。
「もっと湯を沸かせ!」
 釜がいくつも炊かれた場所では、リレー形式でそれが運ばれていた。
「お湯をどうするのですか?」
 手には沢山の矢を抱えた少女が不思議な顔をして問うと、兵士の男性は冷やかな顔をしていた。
「敵にかけるんだよ……あの奇声聞こえるだろう?」
「そんな! 火傷しますよ!」
 そこでみんなの顔が少女に向けられた。彼女は不安な顔をしていると、みんなは当たり前の顔をしていた。
「矢や魔法ばかり使っていたら消耗が激しい――まだ熱湯の方が敵を威圧しやすいからな。そこに炎の魔法でもぶつければ、爆発が起こるし使いやすい……」
 マークスは冷たく微笑みながら少女を一瞥した。
「ですが……」
 少女の話の先を有無を言わさず他のダークエルフが遮った。
「これは戦争だ。火傷とか悠長なこと言っている暇はないんだ。エルフの偽善なんてここじゃ通用しないんだぞ」
「そんな……私は……」
「くだらないお膳立て並べるのもいい加減にしろよ。それともこれ以上の策があるって言うのか?」
 そこでキリアは黙ってしまった。確かに、戦争では奇麗事など通用するはずもない。混沌とした中、戦っているのだ。城を死守する為には、どんな手段も厭(いと)わない。しかし、彼女にはこんな戦いなど初めてなのだ。戸惑いもする……
「その辺にしておけ……城に所属していないクランの子だぞ。戦争体験もない子に俺達が当たり前な事を行き成り持ち出しても、戸惑うばかりだろう……」
 クリスは彼女に助け舟を出すと、自分の仕事をするように言う。
「済まないな……みんな気が立ってるんだ。大目に見てやってくれ……」
 肩を叩かれて少女は頷くと、走り出していた。
 そして、用事を済ませると、同じところにきたときに足を止めていた。
「私が言うのも変かと思いますが、皆さん聞いてください! 皆さんが敵だと思っている人は皆さんと同じ命を持っている人達です。同じ重さの魂を持っている人達です。どうか忘れないで下さい! こうなってしまったのは仕方ない事だと思ってます。ですが、無駄に命をとらないで下さい!」
 すると、すかさず反論が来た。
「あいつらが先にやってきたことだぞ! そんなことをいちいち考えて戦えるか!」
 キリアは真面目な顔をして毅然としていた。
「彼らが先にやって来たからといって同じことをしてしまえば、彼らと同じになってしまいます! 彼らにも家族がいるかもしれません。無駄に命を取られてしまえば、悲しみや憎しみを生むかもしれない……そうなってしまったら、その悲しみや憎しみは皆さんにも降りかかって来るかもしれません。憎しみは更に憎しみを呼び大いなる破壊に繋がるかもしれない……私が世界樹から受け継いだ歴史の中には多々そのような物がありました。……その場の雰囲気に飲まれるのではなく、皆さんの考えや志を持って戦ってください。それに、皆さんはグルーディオ領を守るクランの方達です。城を守る前に、皆さんには領民を護る務めがあります。彼らに城を取られてしまえば、領民の方も犠牲になります。どうかそれを忘れないで下さい……お願いします」
 少女はそう言うと、深く頭を下げていた。果たしてどれだけの人が聞いていてくれていたのだろうか……彼女はそれを確認する前に、自分の持ち場に戻って来る。
「……変な演説してたな……」
 彼女の姿を確認したダークエルフの男性は少女に冷やかな瞳を向けていた。
「お前らしいが、戦意を削ぐのはやめてくれ」
「戦意というか……反対に元気付けられたけどね……」
 レイルースはにこやかな顔をしていた。
「俺……戦争なんて初めてだったから、どうしていいか分からなかったけど、キリアちゃんの言葉を聞いて自分に戻れた気がする。 護るべき者の為に戦う……クランのみんなを守るために俺は全力を尽くすよ」
「そうね……今はそれを考えましょう」
メイシェルの言葉にみんなは頷いていたのだ。
「みんな誰一人かけることなく……」
レイルースは拳をみんなと軽く突き合わせていた。そして、戦場を見つめている。


 キリアの演説か何か知らないが、一時的に士気は上がっていた。しかし、以前状況は変わらず、逆に押されていったのだ。
 焦りは禁物だった。しかし、この状況下、頼みの援軍はまだ影も形もなかったのだ。
「やはり……この様子じゃ援軍を求めに行く前に殺されているだろうと思ったほうがいいな……」
 アルギニウスは、感じていた事を口に出していた。途端にみんなから、憔悴の声が上がる。
「そんな! じゃあ、このまま城が突破されるのを見てるしかないのか!」
 レイルースが疲れきった顔を見せている。
 アルギニウスは複雑な顔をして考えた挙句、一つの答えを出していた。
「……キリア……お前が行って助けを求めて来い……」
「私が?」
 キリアが驚いた顔をしていると、男性は城壁の外郭の堀を見ていたのだ。
「堀に繋がる川から行けば外に出られる。エルフは呼吸が長いから、ここからでも泳げるだろう……」
「でも……みんなは……」
 この激戦の中、みんなが生きていられる保証はない。絶望の思いが頭の片隅を過ぎると、途端に不安が襲ってきた。
「キリアの帰りを待ってるさ」
 メネウトは回収した矢から、使えるものを選り分けていた。
 すると、アルギニウスから冷やかな言葉が飛ぶ。
「逃げていいぞ」
 それに少女は反論する。
「逃げたりしません!」
 だけど、不安は更に彼女の心を満たし、顔にまで表れてくる。
「私……みんなと別れたくありません。一人では何も出来ない……」
「一人じゃ何も出来ないように鍛えたつもりはないがな――もう、殺気くらい察する事が出来るだろ?」
 男性の冷笑が飛ぶと、少女は更に不安になっていた。
 みんな傷だらけだった。手当てもままならず、アルギニウスは右こめかみ付近の傷を簡単に施しただけなので、多少の血が頬を流れていた。
「それに、他の人が援軍を求めに行ったかもしれませんよ」
 アルギニウスの考えは、他のクランでも実行されているかもしれないと考えていると、男性はその答えを打ち消していた。
「あ? 俺にはそんなの微塵も感じられないがな――奴ら夜が明ける前に決着をつけるらしい勢いだぞ」
「それに、助けを求めても私なんて相手にしてくれるはずもないじゃないですか……城の同盟でもないのに……」
「行かなきゃわからんだろう? それにお前は殆ど戦力外だ。矢を持って行ったりする雑用しかないお前に今できることといったら、それくらいしかない」
「しかし……」
 その次にはアルギニウスは見下ろすような威圧感を持って少女を見てこう言う。
「足手まといだ、とっとと失せろ。テメエみたいなのがウロチョロされちゃ俺の気が散るんだよ」
 少女はそれを聞くと、ショックを受けた表情をしていた。長い耳が少し下がって悲しそうにしてる。
 しかし、次には魔力を回復させている女性から冷やかな言葉が男性に投げかけられた。
「何よ、炎の魔法浴びた時に、魔法耐性強化のソングオブウォーディングで助かった奴がよく言うわね……」
 ヘクテメリアの不敵な瞳が、男性を睨むと「ウッセー!」と言葉を吐き出していた。
「キリアわかったらとっとと行け! お前にはそれくらいしか出来ないんだからな」
 指を差して行けという男性に少女は動こうとはしなかった。
「嫌です! 私は皆さんと一緒にいたい! みんなと離れたくない……」
 もしかしたら、今生の別れになってしまうかもしれない……そんな考えが少女の心を押しつぶさんばかりになっていた。
「キリアちゃん……行ってくれ。俺達のためにも……」
 レイルースは爽やかな顔をして彼女に微笑んでいた。
「それに、助けに来てくれれば、また会えるしね」
「そうそう、その暁には熱い抱擁を俺がしてあげよう」
 メネウトの言葉にレイルースとメイシェルが「バカか」と突っ込みを入れていた。
「キリアならできると思ってるわ。補助あげるから行って。あたし達の為にも……」
 メイシェルは笑って、キスオブエヴァという呼吸が長くなる補助を、彼女にしてあげていた。
「うむ、助けを呼ぶ者は英雄なるぞと、オークの言い伝えにもあるからのう~」
 盟主の言葉にみんなは「それは違うぞ」と突っ込みを入れている。
「それと、早く勝利の美酒に酔いしれたいからのう~」
 まだ余っていると思われる酒樽を思い浮かべながら、盟主は余韻に浸っていた。
「うむ、おいらも美酒に浸かりたいぞ」
「右に同じ」
 製作に追われながらも双子は頷いている。
「ワイン風呂いいね~俺も奇麗なお姉ちゃんと一緒に入りたいね~」
 メネウトの言葉に、すかさずメイシェルが杖でど突いていた。
「姉御……俺、一様怪我してるんですが……」
 キリアはみんなが無理をして笑っているのがわかっていた。みんなと離れたくないと思っていると、自然と涙が流れていたのだ。
「私……私……」
 そうしているうちに行動を起こさないのに苛立った男性は、立ち上がって少女を引きずった。
「とっとと行け!」
「アルギニウスさん!」
「立ち上がると危ないぞ!」
 矢嵐の中、レイルースの言葉を無視し、男性は当たるかもしれないのも構わず、彼女を引きずって城壁に押し当てたのだ。
「ヤダ! 行きたくない!!」
「ワガママ言うな!!」
 何としても抵抗する少女を男性は、無理矢理腕を押さえてその抵抗を少し抑えた。
 男性の眼下には水を湛えた堀が見えていた。良く見ると、死体が浮かび水面は血で染められている。
「みんなと別れるのは嫌です! どんな事があってもみんなが助けてくれた。そんなみんなと別れるのは絶対に嫌!! ――嫌です!!」
「いいから行け! このバカエルフ!!」
「バカでもいいです! なんとでも言って下さい! 私はここを離れるつもりはありません!!」
「テメエは役立たずなんだよ! テメエがいるだけで虫唾が走る!」
 だが、この言葉は本心でない事は彼の瞳が語っていた。キリアは彼が自分を心配してくれているのだとわかっていたのだ。援軍を求めて来いという言葉の中に、お前だけでも生き延びろというメッセージが込められていた。
 だから、余計にみんなの側を離れなれなかった。男性の後ろには悲痛な顔をしているみんながいるのだから……
「イヤァァァァ――――――――!!!」
 彼女は魂の底から絶対に離れないと言う意思を持って叫んでいた。メイシェルはそれを見て涙を流している。ヘクテメリアもレイルースもメネウトもムクタもムクハも……グフカロフは目頭を押さえていた。
「お願いです! みんなと最後までいさせて!!!」
 しかし、いくら抵抗しても、アルギニウスの意思は揺らぐものではなかった。抵抗しようと躍起になっている少女の手は、彼の腕を掴んで離さない。
 それは、最初に出会ったときの光景と似ていた。藁をも掴むように男性の袖を掴んで泣きじゃくっていた少女の姿に……
 アルギニウスは、初めて悲痛な表情を浮かべていた。だが、自分があの時助けた少女を喪うかもしれない……そんな事は何としても避けたかった。
 月が彼女を照らし血溜まりの中の少女を見たとき、助からないと思っていた。しかし、彼女は助かった。幻覚にうなされ衰弱した時に、自分は彼女を死なせたくないと総ての神に祈っていた。本心から……
 きっと……水の中なら彼女の神が護ってくれる……
 アルギニウスはそう考えていた。もしもの事があっても、こんなところでは死なせたくなかった。奇麗なままで……彼女を再び血だらけにはしたくない……そう思っていたのだ。
 悲痛な表情と考えていた時間はまばたき一つ――男性は再びきつい顔になると、声を上げていた。
「いい加減にしろ!」
 乾いた音が二人から聞こえて来る。右手を振り下ろした男性は少女に平手を浴びせていた。
 左頬が赤くなっていたが、彼女は毅然とアルギニウスに瞳を向けて自分は絶対に離れないとその瞳で訴えていた。
 彼女は尚も離れないでいると、アルギニウスは再度手を上げたのだ。
 痛みに耐えてみせると、少女は瞳を瞑り痛みに備えていたが、次に来たのは驚く事だった。
 自分の顎に添えられた手に、次には温かいものが唇に当たっていた。
 何事かと思った少女のすぐ近くに、アルギニウスの顔があった。
 それに驚いて手を緩めてしまいそうになったが、みんなと離れたくない思いのほうが強かった為に慌てて手に力を込めていた。
 それを感じたアルギニウスは、深く唇を合わせていた。
 キリアは口の中に入ってきた物に驚いて、思わず手を緩めてしまった。どうして良いのかわからなくなっていると、アルギニウスのほうから離れる。
 彼は一瞬効果あったなというほくそ笑んだ顔をしたが、次にはきつい顔になって彼女の体を掘りに向かって投げ込んでいたのだ。
「行け!」
 落下していく時間が長く感じられた。キリアが涙目で男性を見ると、彼はホッとしたようなはにかんだ顔をしていた。
 手を伸ばしても彼には届かなかった。一瞬キエラのドラゴンバレーでの悲しい別れと同じだと考えた途端、現実に引き戻されてしまったのだ。
「キャアァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」
冷たい水が彼女に押寄せて来た。水は鎧の間から入り込み重たくなる。息を整える為に上がってきた時には、もうアルギニウスの姿は見えなかった。
 彼女は意を決して息を深く吸うと、流れに身を任していた。
『エヴァ様お願いです。私はどうなってもいい……ですからみんなを助けて!!』
――――子守唄のように、水の旋律は穏やかで暖かかった。彼女は途中意識を失いながら、その流れに一筋の希望を見出そうとしていたのであった。







長文お疲れ様でしたm(_ _)m
読んでくださってありがとうございます。

来ました!
この章で大好きなところです><
他にも大好きなところあるんですけどその一部ですww
演説シーンは結構考えましたね~・w・
どうやったら、伝えられるか……練っていたシーンでもあります。
それから、戦場のお湯攻めとか・w・
油攻めもあるとか……
火傷どころじゃないですね^^;;;;

で、仲間との別れ……
ここは書きながら泣いていたかな~……(;w;)
キリアが悲痛な声で叫んでみんなの涙を誘っていましたね

でだ……アルー! キリアになんてことをーーーー!!!www
チュー来たチューwww
何でやったかは、次回出てきますww
お兄ちゃんいなくてヨカッタネww
メラメラ光る赤い剣でタコ殴りですよええ、キット ええ、キット いや、ゼッタイww

次回はレイルース君ご乱心直前「おおおおおお前なー!ききき……キリアちゃんに何てことを!!@@;;;」
アル:「緊急事態だし、俺は専門外だ」をお送りしますww

[edit]

« 間に合ったー><  |  これは無理だなー »

コメント

キロナちゃんエッチだなぁ

りしたる | URL
2017/04/27 15:28 * edit *

全否定できないですwwハイww

キロナ0 | URL
2017/04/28 00:41 * edit *

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