03 // 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30. // 05

人物紹介 

ようこそいらっしゃいませ^^
こちらは主にリネージュⅡに関することを載せております。

ドビから変わってエリカのクランに入ってリネⅡの日記や日々のつづりです。
後はリネージュⅡオリジナル小説やイラストなどです。
最近はリアル日記が多いです^^;

右カテゴリーの方に登場人物の紹介があります。

一話はこちらから

そのほかの登場人物はここの「続きを読む」をクリックしてくださいませ。

-- 続きを読む --

[edit]

エクシズ物語その1 



 何をしているのだろう……
 何を探しているのだろう……
 俺は何を……
 ああ、あれか……夢なのか?
 え~っと何かガヤガヤしてるんだが……
 目を開けてみよう……

 目を覚ましてはみたものの、見るものなすもの目新しくてならなかった。
 ここどこだ?
 何でこんなところで俺は居るんだ?
 体を起こしてみるが、あちこち痛くて仕方なかった。
 それはそうだろう……体中包帯だらけなのだから……

「ここ……どこだ?」
 OK言葉は正常に出る。頭痛はしなかったが脳までダメージがあった訳ではなかった。とりあえず一安心。
 ふと、ちょっと離れた所で動く影があった。
 何者だ? 俺の声で動いたのか?
 相手は兵士の様だった。詰所らしき感じを受ける。
「門の前で傷だらけで倒れていたから手当したんだよ」
「ここは?」
「兄ちゃんここは始めてか? 『ギラン』と言う商業都市だ」
 ギラン? 頭の片隅にあった言葉だとは理解したが、どうやって入手したかは覚えていない。
 いや、記憶喪失ではない。ここの生まれではなかったからだと思う。
「どうして俺は……」
 そう言って思い出した。モンスターに向かって走って行って……
「あーーーーーー!!!!!!」
 思わず声を荒げてしまった。モンスターに絡まれつつ、そのまま村に突っ込んでゲートキーパーで適当な所に逃げてきたんだ!!!!
「どうした兄ちゃん」
「ギランって言ったよな。どうやったら俺の故郷に戻れる?」
「故郷か~。金があればゲートキーパーですぐなんだが……」
 所持金は正直言ってほとんど無かった。前の日に仲間内で賭け事やって負け……た。
「とりあえず装備はそこに置いてあるから、大きな声出せれば元気な証拠だから着替えたら出て行ってもらうよ」
 ゆっくりと起き上がってみたが、痛い痛い……だが、これくらいなら、鬼教官の折檻と比べたらまだまだ。
 傷だらけだったがまだ着れる服を着ると、その兵士にお礼を言って別れる。
「世話になった。済まなかった」
「いいって事よ! カマエルの兄ちゃん!」

さてと……ゲートキーパーは確認できたが、ロクな金持っていない俺はアインハザードの神殿の前の階段でボーっと座るしかなかった。
 背中にある左だけにある魔力を吸収するための翼をパタパタさせていると、人間の子供が珍しい目をして寄って来て俺の翼を握ってこようとする。
 一睨みで泣かせた。近寄るんじゃねぇ!
 俺って目つき悪いんだよな~~。そのくせ、後輩に好かれるタイプ。
 パシリに使っているが、なぜか人いや……カマエル達は男だけ寄ってくるんだ。
 俺は……女子力は負けないはずなのに! 女子コイヤー!
 だけど、甘い物は恥ずかしくて買えないのだ。
 女子が寄ってくれば、俺は夢にまで見たパフェとやらを一緒に行ってたらふく食べてみたいのだが……
そんなことを考えていると、何やら遠くでワイワイしてる声が……
 そういえば、巷ではイベントがあったな~~って思っていたが、俺には関係ないかと思っていたのだ。
 その声が自分の方に近づいてくる。よく見ると、女子のドワーフが楽しそうにこっちに来ていた。
 咄嗟に視線をずらそうとしたが、バッチリ目が合った!!
 うわ! ヤバイ! 俺メンチ切った!!
 どんどん近付いてくる~~~~!!
 やべぇ! 俺ピンチ!!
 なぜだ! 足が動かねぇ! 逃げられない!
 ……動けるはずがない! 今の俺、ケガ人ですから!!
 擦り傷切り傷、数えきれないんですけど!
 殺(や)られる!!
 俺の人生ここまでか!!
「これあげる!」
 白い粉の入った瓶を渡される。これってまさかあの危ない薬ってやつでは!!
 いや、それでは俺は俳人……もとい! 廃人になってギランの海にヒャッハー! してそのままドザエモンに……
 その前に金持ってないから、ヒャッハー! できないっす!!!!
 だが、よく見るとラベルにはクマのマークが?
 物珍しく見ていたからか、瓶をくれたドワーフ女子の隣にいたダークエルフ男子が説明してくれた。
「今イベントでクマとネコ変身の瓶がポモナから出て、出過ぎてるから配っていた所だ」
 よく見ると、そのダークエルフ……パンイチなんですけど……だけど、何だかカッコイイんですけど!
「俺が貰ってもいいのでございますですか?」
 とりあえず丁寧にお礼を述べてみる。よくわからないが俺自身にとっては丁寧語だ。
「OK! 心配しなくても三十分しか変身効果ないから気にするな!」
「金持っていないのですが……」
「案ずることはない。俺も金はない」
 ……何か俺に似てる……世界には似てる人が3人はいるというあれか……?
「ありがとうございますですます!」
 久々の親近感を持って、ドワーフ女子とダークエルフ男子は去って行った。
 さて、このアイテムをどうしようか使ってみるか? いやいや、売ってもいいはず。
 これを売ったらいくらになるんだろう~~。道具屋に出してみるか……
 ……0アデナだった。出過ぎているから売り物にならないという……
 トボトボと元居た場所に戻ってみたら、人間のガキ共の遊び場と化していた。
 じゃんけんでチョコレートと言いながら楽しんでいる。
 そうか! こういう時に俺の出番!
 このさっき貰ったアイテムを使って変身して、好印象をアピールしてやるんだ!
 いざ変身。これを体に振り掛けて~~
 体が光ってきたー! これぞ魔法の効果~~!!
 いいかガキ共! 俺の勇姿をちゃんと見ろーー!!
 ……変身完了した。俺は数倍チャームになっているはずだ!
「さあ! 俺様必殺の姿をとくと焼き付けるがいい!」
 ババーン! 俺は、その子供たちの前に立ちはだかる。
 どうだ! カワイイ顔をしているだろう~~?
 さあ! 俺の胸に飛び込んでおいで~~!!
 ……え?……なぜ泣きながら逃げていくんだ。俺はクマに変身しているんだぞ。
 手は茶色になっているから多分クマだろう……服も来てプリティーのはずだ。
 だけど、何で顔が出ているんだ? まるで観光地のベニヤ板に描いた顔を入れるあれのような……
「……おやじ、鏡見ていいか?」
 速攻で俺は外で商売していた人間のおやじから姿見を借りて全身見てみる。
 クマの顔はある。何故だ! なぜ俺の顔……顔が出ている!!!!
 いや、クマの可愛い顔は上についているんだ。その下に俺の顔……
 目つき悪い俺の顔がーーぁ!!
 とりあえずおやじにお礼を言ってうつむいて歩くしかなかった。
 元の場所には誰もいなかったので座ってみる。なぜか翼は出ているのでカマエルと分かってしまうのだが……
 本当ならもっと先輩とか村を出て冒険者になった奴とか一杯いていいんだが、今日に限ってあまり見かけない。
 戦闘種族だから村でのんびりしているのは性に合わないのだろうか……
項垂れてるー


 俺も……これからどうなるのかと着ぐるみのまま項垂れていると、視線を感じた。
 顔をあげると、人間の女子が顔を見ていたのだ。
「くまさん。可愛い」
 そう言って微笑んだ女子は数名のお供を連れていた。
 何ですか? このお供から放たれるおぞましい空気は……
 高レベルの方々ですかね。圧倒的な気力に俺は縮み上がっていた。
 こんな時に、パシリの後輩が居ないのが痛い。
 俺に少しでもいいから勇気をくれ!
「かか……可愛いね、くまさん。ししし……知らない人がアイテムくれたんだよ」
 とりあえず、受け答えはできた。頑張れ俺!
「これあげる」
 と手には真っ赤な1個のリンゴが……
「食べて」
 ニッコリして微笑ましい姿をしていた。
 ヤバイ! 俺はこの微笑で溶けてしまいそうだ。まだ夏になっていないのに、俺はこのままギランの地で溶けてなくなってしまうのか……
「食べる」
 もらったリンゴを即食べて空きっ腹を多少埋めてお礼を言うと、女子は嬉しそうにしている。
「美味しい?」
「美味しい」
 それにしても、お供はムッキムキのオーク男子やカボチャ杖を持ったエルフ女子に色々いるな~~。
 とりあえずお礼を言って去らねば。
 と思っていたら、何か……いつの間にか後ろのお供の面々によって、パーティーに入れられたぞ。
 俺まだそんなにレベル高く無いんですけど~~~~!!
「くまさん、一緒に行こう」
「え? は……はい」


-- 続きを読む --

[edit]

今年新年の小説投稿~ 





 兵士達や敵の死体が転がっていた。滑って転ぶと、それが血溜まりだとわかる。城の内部にまで敵の侵入を許してしまったらしく中は瓦礫や武器などが散乱していたのである。
「盟主さんー! ムクタさんー! ムクハさんー! メイシェルさーん! ヘクテメリアさんー!」
 彼女は懸命にクランのみんなの名を呼ぶ。
「レイルースさーん! メネウトさーん! アルギニウスさんー!」
 少女はみんなの名前を呼んで捜していた。途中、クリスのクランの人を見つけたが、彼は全身傷だらけであったのだ。
 聞くと、前線はもっと酷かったらしいというのだ。死んでいてもおかしくないだろうと……
 それを聞いて不安になっていた。彼女は涙目になりながらみんなを捜している。
 そして、広間の誰もいない一角にその人はいた。全身傷だらけで倒れていて、起き上がる気配もない。
「レイルースさん!!」
 急いで少女が起すと、男性は微かに目を開いた。
「キ……リアちゃん……良かった……無事だったのか……」
 青年は苦痛に歪みながら、微笑んでいた。
「大丈夫ですか? 傷だらけで……」
 涙を流す少女に、彼は頬に手をやったのだ。
「駄目かも……もう……動けないや」
 力なく笑う青年に彼女は愕然とした表情になる。
「そんな! レイルースさんまだ皆さんと会ってないのに……レイルースさんともちゃんとお話してないのに!」
 それに男性は苦しいのか顔を歪ませると、目を少女に向けていた。
「キリアちゃんが霞んで……もっと……顔を良く見せて……」
 顔を近づけるキリアにレイルースはまだ見えないと伝えると、もう少し顔を近づけていた。
「見えますか?」
「まだ……」
 彼女は顔を近づけていくその時、二人の耳に空を斬る音が聞こえてきたのだ。
 男性は体を起こすと、機敏な動きでそれを避けていた。床には力なく転がる矢が……
「悪りぃ~悪りぃ~……手が滑った」
 高台には、意図的に弓を持ったメネウトがいる。
「お前な! せっかくいい雰囲気だったのに邪魔しやがって!!」
 起き上がって叫ぶ男性を、キリアは唖然と見ていた。
「だって、いい雰囲気だったから、邪魔したかったんだもん~~~」
「メネウト! 後で憶えてろ!」
「俺、忘れちゃうもん~~」
「レイルースさん……大丈夫なのですか?」
「命に別状はないよ」
 答えたのはメネウトだ。
「動く気力は無くなったけどね……」
 力なく言う青年に、キリアはホッと胸を撫ぜ降ろしていた。
「良かった……無事で……」
 それにレイルースは彼女の頭を撫ぜていたのだ。
「君こそ無事で良かった。援軍呼んでくれてありがとう」
 男性は泣き出す少女を抱き締めていた。メネウトは近くに来ると、俺もと手を伸ばすが、レイルースは危険だと判断して、彼を寄り付かせなかった。
「あっち行け!」
「何だよ! 仲間との再会を喜ぶ場面なのに、そんなのありかよ!」
「お前は抱き締め方が、エロいんだよ!」
「だったら、お前はどうだって言うんだよ!」
「俺はまだ紳士的だ!」
「お前だって下心満載だろう! さっきキリアといい雰囲気になりやがって!」
「お前だと、危険なんだよ!」
「そうよ危険よ」
 突然後方から声が上がっていた。奥のほうから数人の人影があったのだ。
「あら姉御、いたのね……」
「どつかれたいみたいね……」
 みんなを確認したキリアは、レイルースの腕を外して駆け寄っていたのだ。
 メイシェルに抱きついたり、ヘクテメリアや他のみんなにも抱きついていた。
「皆さん無事だったのですね」
「足はあるぞ」
 盟主はニカッと笑うと少女は泣きながら微笑んでいた。
 しかし、ここには一人足りなかった。キリアは辺りを見回していると、気が付いたらしくみんな気まずい顔をしていた。
「アルギニウスさんは……?」
 その言葉にみんなは俯いていた。それに少女の不安が駆け巡る。
「あいつは……」
「残念だけど……」
 キリアの顔が更に青ざめていくと、口を押さえていた。
 みんなは顔を見合わせて怪訝な表情をしていると、キリアの背後から足音が聞こえてきた。
 振り返ると、全身傷だらけで歩いてくる人物がいたのだ。丁度逆光で見ることが出来ない。しかし、その雰囲気は彼女が良く知るものだった。
 そして、段々と姿が見えてきた。銀に光る髪に片方しか髪に隠れていて見えない、緑とも青とも取れる切れ長の瞳、青褐色の肌――――
「アルギニウスさん!!!」
「キリア……来たのか」
 彼女は涙が止まらなかった。アルギニウスは近くまで来ると、泣き虫と言っていたのだ。
「だって……皆さんが……」
「残念だけど生きてるって、言おうとしたんだけど……」
 それにアルギニウスがメイシェルを睨んでいた。
「生きてて悪かったな……誰のお蔭でテメエはそうしていられると思ってやがる……」
「援軍が来た後、突き飛ばされた身になってみなさいよ! あのあと踏まれる踏まれる……死ぬかと思ったわよ」
「ウルサイ! 一様助けてやったんだから文句言うな!」
「だからって引きずる事なかったじゃないのよ! 痛かったんだからね!」
「生きてるんだから、文句言うな!」
 その刹那――みんなの無事を確認した安堵から、目の前の少女の足の力が抜けて倒れていった。アルギニウスは彼女を抱き支えると、他の人も彼女を支えていた。
「キリア! キリア!!」
 みんなの声に彼女は反応しなかった。総てを預けた形で少女は意識を失っていた。
「この子……体中アザだらけじゃない! 切り傷も……もしかしたら、肋骨折れてるんじゃ……」
 メイシェルが体を見て声を荒げていた。
「川を流れた時にやったか?」
 男性は少女を抱き上げると、みんなは走って行った。
-- 続きを読む --

[edit]

小説です・w・ 




 昼近くになり、何度も何かを打ち付ける音がしていた。城門を見ると、破(は)城(じょう)槌(つい)を持った者達が城門を叩いていた。 ここを破られれば終わる……何とかバリケードを作って対応してきたが、それも適わない状態になっていた。
 それでも熱湯をかけたり油を撒いたりと色んな抵抗をしてきたが、士気の上がった彼らには到底適うものではなかった。
 残った面々は扉の前に集結している。
「ここが破られたら終わりだ! 俺達は何としても死守しなくてはならない。その命をもってしても……」
 クリスは門を悔しそうに見ながら、アートオブバトルアックスを握っていた。
「最後の戦いになる……みんな、腹据えろよ」
「できるだけ多くの奴等を道ずれにするさ」
 クリスのクランのもう一人のブレードダンサーである、ジダークは二刀の愛刀を構えている。
「じゃあ、俺は出来るだけ多くの姉ちゃんを道ずれに~ウハハハハハ」
 アイファルの下品な言葉に隣の同じクランのウォークライヤーであるオークの女性、チャジャルが拳で叩いていた。
「お・げ・ひ・ん」
 クリスのクランのビショップの男性、ヤキールが溜息混じりに呟いた。
「下品で結構!」
「雷落ちないように気をつけろ……」
 同盟のエルフの盟主エルダーのドミットが言っていると……
「俺も、お姉ちゃんがいいな~」
 と言っている人物がいた。
「……レック……」
 といわれたダークアベンジャーの同盟の盟主レックはにやりと笑っている。
「え? だってムサイ男より、お姉ちゃんのほうがいいんだもん~」
 隣の盟主であるラクームに手を置いて、同意を求めていた。
「バカ、二人……」
 アルギニウスが溜息混じりに言っていると、抗議が始まっている。
 だが、ビスキーとダークエルフの女性の召喚獣が、みんなを黙らせていた。
「うちの同盟の士気どうなってるのかしら……」
 召喚獣を自分の隣に立たせて、アフィロが溜息をついている。
「まあ、いいじゃないか? それだけの余裕があると思えば……」
 ハミルが微笑んでみんなを見ると、みんなは武器を構える。
「そろそろ、来るわよ……」
 補助を始めたクリスのクランのシリエンエルダー、ソナエリアが毅然とした顔を見せていた。
「俺の疾風を、お見舞いしてやる……」
 マークスは不敵な笑みを浮かべて杖を構えている。
「勝ったら祝い酒だ!」
 グフカロフは拳を上げると、双子とメイシェルとメネウトが同じ様に拳を上げていた。
「まだ飲むのかよ……」
 クリスが呆れていると、オークの男性は頷いていたのだ。
「勝利の美酒に酔いしれるのは、勝者の特権であるからのう~」
「向かい酒だ!」
 アイファルがなぜか同参してくる。
「終わったら飲むぜー!」
「俺はひとまず眠りたい……」
 クリスは窓から見える晴れた空を睨んでいた。襲撃から殆ど寝ていないのだ。普通なら体に支障が出てもおかしくない。しかし、神経が昂っている為にそんな様子はなかったのだ。
-- 続きを読む --

[edit]

小説更新でしー 





 霧の深い中、馬の蹄が響いていた。荷馬車は橋を渡り目的のところに行こうとした矢先、その足を止めている。
 御者(ぎょしゃ)はいくら鞭打ってもびくともしない馬達に困惑していると、急に馬達は川の方に歩き出した。
 その霧の中でもその黄金の髪は、御者でも確認することが出来た。馬達は鼻でつついたりしていると、やがてその人物は声を上げて意識を取り戻す。
 そこには若いエルフの少女がいた。彼女は傷だらけの顔を馬に向けると、起してくれてありがとうと言っている。
「あんた……大丈夫か?」
 御者が声をかけると、少女は痛みを堪えて起き上がっていた。
「ここは……?」
「フローラン村の近くの川だよ……一体どうして……」
 と、話の途中で御者の言葉が途絶えてしまった。橋には死体らしきものが、何体も引っかかっていたから――
「ヒイイ!」
 更に上流に目を向けると、霧の中からおびただしい死体が浮かんでいるではないか……
 少女は立ち上がると、おぼつかない足取りで御者に歩いてきていた。
「済みません……ディオン城に連れて行って下さい! グルーディオ城が襲撃にあって……」
 恐怖で我を忘れている御者は慌てていると、そこから逃げ出そうとしていた。
「待ってください! 私をディオン城に!」
 流れている時にどこか打ち付けていたのだろうか、体中が悲鳴を上げていた。
「仲間を助けないと!」
 倒れそうになる少女を、馬達が体を支えてくれていた。
「ありがとう……」
「あんた……動物と話せるのかね……?」
 恐怖よりそちらの事に興味が行くと、彼女は痛みを堪えて頷いている。
 御者は多分馬達がディオンまで持たないと考えて、一様フローランまで馬を飛ばしていた。少女は痛みを堪えながら御者の隣に座っていると、案の定馬達は呼吸を乱していたのだ。
「こいつら歳だから……勘弁してくれ。フローランで馬を借りて行ってくれ。ストライダーなんて高価で高速なもんじゃないが、今のあんたと比べたら十分だろうから」
「ありがとうございます」
 フローランに着いた一行は話を聞いた人が馬を貸してくれていた。一人ではとても乗れないだろうという事で、村一番の馬乗りが彼女の乗せて走ってくれたのだ。
 兵士達に支えられて少女は城内に入っていた。
 朝靄の中、異変を聞きつけて城主は叩き起こされていた。良く太った恰幅のいい人間の男性だった。眠い目をこすって状況を聞いていたが、相手にされなかったのだ。
 グルーディオの城勤めのクランには、少女はいないという理由だった。
「お願いします! すぐに援軍を派遣してください!」
 立っていられずに座り込んでいる少女に、城主は非情にも耳を傾けていなかった。
 すると、城務めのエルフが召集で駆けつけて、彼女にヒールを施していた。
「この者の言っていることは本当です。嘘偽り無い瞳です。すぐに援軍の派遣を……」
「しかしだな……」
 城主が言葉を濁した。
「グルーディオが襲撃されたとあれば、次にこちらに来るのも時間の問題かと……」
 エルフの男性は、きつい目を城主に投げかけていた。
「状況を把握せぬ限り、無駄に兵力を割くわけにも行かぬ……最初は調査の為に斥候を向かわせよう……」
 それを聞くと、エルフの男性は会釈をしていた。そして、少女に柔らかい笑みを浮かべた。
「君は休んだ方がいい。体中満身創痍ではないか……」
「いえ……この事をオーレンにも伝えないと……」
「いや……時間的に間に合わないかもしれない――近いのはギランしかないが、動いてくれるだろうか……」
「ギランには知り合いがいます。頼めるかわかりませんが、行かないと……」
 立ち上がる少女を、男性は支えてやった。
「君は無茶をするのが、好きみたいだね……」
「みんなが戦っているのに、私だけ休む事なんて出来ませんから……」
「カーディエン様が目にかけるのも、分かる気がするよ……」
「マスターカーディエン様ですか?」
「ああ、一目見て聞かされていた特徴と類似していたからね……キリアと言ったかな?」
「はい」
「カーディエン様は君の事を良く話していた。あの方が気にかけているみたいだ」
「そうなのですか?」
「ああ……ギランには私も同行しよう。知り合いがいるわけではないが、ディオンの代表として説得は出来る」
「ありがとうございます」
 少女は、力なく微笑んでいた。
「それに、花のエルフには以前お世話になった事があるのでね――エヴァの戦士であり尊い御方だ……」
「セラフィウムさんですか?」
「いや……フィエル様だよ」
「フィエル……」
 その言葉に、思い当たる節はなかったようだ。
「まあ、今はその話はよそう。ギランに行かねば……」
「はい!」

 朝靄の中、同仕打ちを避けるために一時戦闘は中断されていた。みんなは憔悴しきった顔をして、休息をとっていた。
 レイルースは、キリアのことが心配だった。あの高さから人間が落ちたらどうなるかわからなかったが、アルギニウスの話ではエルフは高いところから飛び降りても平気だと言う。
「キリアちゃん……」
 男性は神に祈っていた。好きな少女が生きている事を祈りながら……
 それを聞いたみんなは俯いていた。あれから数時間が経過しようとしている。だが、援軍も来ないのだ。
「それにしても……」
 メイシェルの瞳がアルギニウスを睨んでいる。
「何でキリアにキスしたのよ」
 それにみんなの瞳がダークエルフの男性に注がれた。
 彼は瞳を閉じたまま、ほくそ笑んでいる。
「あいつ平手打ちでも力緩めなかったからな……痛み与えてもどんなことしても離れなかったと思ったから、別な事してみただけだ」
「で……効果あったようだな……」
 メネウトがウンザリしていると、喉の奥から嫌味な笑い声がしてきた。
「唇合わせただけじゃ離れなかったから、舌入れてやったよ」
 それにみんなは驚愕している。
「まあ、驚いて離れてくれたから、良かったけどな。あいつ意外と物動じしない……」
 急に胸倉掴まれる感覚で目を開くと、涙目になっている男性がいたのだ。
「おおおおおお前なー!ききき……キリアちゃんに何てことを!!」
 レイルースを見て男性は「緊急事態だし、俺は専門外だ」と言っていた。
「別に、もしかしたら男の『お』の字も知らずに死ぬかもしれないんだったら、少しくらい教えてやっておいてもいいだろう……?」
「そんな風にするんだったら、俺がやればよかった……!」
「俺も、熱い抱擁をしておきたかった……」
 レイルースとメネウトにメイシェルのど突きが……まあ、入れられる元気もなかったが……「こらこら」という声はしてきていた。
「お前等が束になっても、キリアは動かないだろう? せめておっさんが槍投げのごとく落とせば、済んだことだったんだがな……」
「キリア一人なら、軽いものだ」
 盟主は大きく胸を張っていた。
「逆に堀の外まで飛ばされそうな気がしたから、あえて言わなかったけどな」
「うむ、外といわず崖下の川に落とす自信はあったぞ」
「それこそキリア死ぬわよ」
 ヘクテメリアの言葉に、一同頷いている。
「援軍よこす為に落としたのに、死なれてはのう……」
「そうだのう……」
 双子も流石に今は製作を中断していた。
 朝靄が段々晴れてくるのを見ながら男性は空を見上げていた。
「……まあ、生きてはいないと思うがな……」
 それにみんなが反応する。
「そんな!」
「嘘だろ?」
「……この川の途中は流れが急になるんだ……そして、深くなる……エルフでも生きていられるかどうか……」
 その言葉にみんなは愕然とした。もし、彼女が生きていなければ自分達も……
「まあ、あいつのことだ。しぶとく生きているかもしれないがな……俺はこの戦場で汚く死んで欲しくなかったから堀に落とした。せめて、水でふやけながらも傷のない奇麗な姿のままでいてくれればいい……」
 レイルースは自分の体を見た。傷だらけで血が染み込んだ鎧を……確かに、兵士たちの死体の中には目も当てられないものもあった。それと比べたら、水の中で死んだほうがまだ幸せなのかとも思っていたのだ。
 だけど、自分の目で確認しない限り、彼女は生きていると信じたかった。溢れる涙を拭って意思の固い瞳をしていた。
「俺はキリアちゃんが生きていると信じる! そして、みんなで一緒にアジトに帰るんだ!」
 それにみんなは頷いていた。
「そうだ! みんなで祝杯挙げようぜ! 無礼講でキリアを暴れさせようぜ!」
 メネウトが気合を入れていると、横の方から声がする。
「待て待て、最初にグルーディオの酒を空かしてからだな……」
「おっさん二回飲むのかよ!」
 盟主の言葉にメネウトが驚いている。
「グルーディオに、伝説生むのやめてよね」
 ヘクテメリアが、呆れたようにしている。
「そうよ! 街歩けなくなるじゃない」
 メイシェルが女性に加勢していた。
 などと話しているうちに開戦の鐘が鳴り響く。
 長い戦いが再び始まとうろしていた――――
-- 続きを読む --

[edit]

プロフィール

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

カウンターです